食卓の上まで権限を開きました

一緒に仕事をしようと言われたあと、個人フォルダまで開いてほしいと頼まれました。ジアは断る前に、箸を置きました。

夕食の席で仕事用の共有フォルダを確認していたジアは、一緒に働く人の頼みが自分のプライベートな空間にまで及んでいることに気づく。

夕食中に仕事のファイルを確認していたジアに、個人クラウド全体へのアクセス権を開いてほしいというメッセージが届く。相談でスホ先生はその文面を読んだあと、ジアの手がどこへ向かったのかだけを尋ねる。翌日も同じ頼みが繰り返されたあと、ジアは最後まで書けなかった文を画面に残す。

個人の領域まで明け渡したくないとき

頼まれた意図を考える前に、実際にどんな権限や情報まで求められているのか、まず確認してみましょう。

どこで心が不快になったのか、どんな境界を守りたいのかをゆっくり話していくと、関係を壊さずに伝える言葉も少しずつ見えてきます。

個人フォルダを開いてほしいという言葉より、その言葉を読んで箸を置いた手のほうが、長く心に残ります。あの瞬間、ジアさんはもう仕事と私生活を分けていたのだと感じました。今日も誰かの頼みを前に手が先に止まるなら、その手はどこへ行きたいのでしょうか。

場面

  • 01・もっと権限を開いてほしい夜 01・もっと権限を開いてほしい夜 — 夕食中のジアのスマートフォンに、一緒に作業していた人から新しいメッセージが届いた。共有した作業フォルダだけでなく、個人クラウド全体を開いてほしいという頼みだった。 ジア: これまで開いてほしいって?01・もっと権限を開いてほしい夜―ジアが仕事用の共有フォルダの通知を読み、箸を食卓に置く。
  • 02・手が先に止まった場所 02・手が先に止まった場所 — ジアはそのメッセージを読んだあと返事を書かず、スマートフォンを伏せて置いたと話した。手は何度も画面へ向かったが、結局ロック画面をつけただけだった。 スホ先生: ジアさん、その言葉を読んでから、手はまずどこへ向かいましたか?02・手が先に止まった場所―ジアが伏せたスマートフォンをもう一度手に取ろうとして、指を引っ込める。スホ先生は画面を見るよう急かさず、ジアの手が止まった場所を尋ねる。
  • 03・また来た同じ頼み 03・また来た同じ頼み — 3日後、別の仕事をしていた夕方にも、また頼みが来た。今回は個人メールまでつないでほしいという話だった。ジアは食事より先に、ノートパソコンのふたを半分閉じた。 ジア: 働くには、ここまで必要なのだろうか。03・また来た同じ頼み―ジアがノートパソコンの仕事ファイルを閉じようとして、手を止める。スマートフォンの通知には、今回は個人メールのアカウントまでつないでほしいという頼みが表示されているが、カメラはジアの横顔と手を中心に捉える。
  • 04・最後まで書けなかったひと言 04・最後まで書けなかったひと言 — その夜、ジアは初めて返信欄に「それは個人…」まで書いた。残りの言葉を続けられないまま、指だけが長いあいだバックスペースキーの上に留まった。 ジア: それは個人……04・最後まで書けなかったひと言―ジアが「それは個人…」まで入力し、カーソルを止める。バックスペースキーを押そうとした指が、宙で止まる。

スホ先生の物語

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